学生とボランティア(なぜなにNPO vol.169)

昨年まで近隣の大学でボランティア論の授業を担当していました。授業は半期14回あり、ボランティアにまつわる多様な情報を実践も交えて伝えていました。
当時は、学生ボランティア団体という形で活動していた学生も多く、学内のボランティアセンターに出入りする学生の数も多く、「Gakuvo」という学生のためのボランティアサイトには、学生を中心にした、若い世代へのアプローチが掲載されていました。
市民活動推進センターでは、地域とワカモノのインターンシップ事業を実施しており、学生の皆さんとも接点の多い活動を実施していました。当時の学生のボランティア行動率は3割に近い数字が出ていました。
そして、2020年度の新型コロナの感染拡大によるボランティア活動への影響は大変大きく、センターは閉館し、大学の授業そのものも全てオンラインとなりました。実践のないボランティア論はどのようにすべきか、そもそもオンラインの授業は成立するのか見当がつきませんでした。
そこから3年間は、常に試行錯誤の連続でしたが、学生の皆さんもどんどん環境に慣れ、「できるときにできるコトを」や「今、動いている人がいる」を合言葉に地域で活動を続けている市民の行動を紹介し続けました。
真っ暗な画面に向かって一人でお話をするという形式の授業でしたが、授業中のリアクションや課題レポートの内容は、対面の授業ではなかなか出にくかった「自分らしさ」が出ていたように思えました。しっかりと伝わったと感じています。
どんな時代になっても、家族や関係者以外の人とも交わって生きていくことに変わりはありません。できるだけ早い時期に様々な経験や体験そして実践を重ねることで、生き抜く底力が養われます。
コロナ禍を通過中に伝えていた「できるときにできるコトを」や「今、動いている人がいる」はまさに、混沌とした現代社会の中で、羽ばたこうとしているワカモノに送りたい言葉となりました。
センターでは『VOLUNTEERS 2023夏号』を発行しました。44件のボランティア情報が掲載され、「私のボランティアな時間割」として、10歳代~70歳代まで様々な年代の方の時間の使い方を特集しました。是非一度手に取ってみてください。(て)※WEB版にはさらに追加の情報があります。