-憧憬、復興、文化の生成の場としての廃墟-
人々は廃墟に何をみるのか
西洋風景画には、崩れかけた廃墟や古代遺跡がモチーフとして描かれることがあります。
それは古代文明という古典の再発見であるとともに、自然に埋もれて朽ちてゆく巨大な人工物は、栄華の儚さ、人間の無力さを象徴しています。
日本では、湿潤な環境下に友いて、木造建築が何百年も朽ちるままに遺される例はほとんどありませんが、災害や戦乱、家の没落により家屋や寺社が荒廃したという記録を文学や美術にみることができます。
本展では、日本における「廃墟」の表徴とその歴史を国宝・重要文化財など約100点からたどり、鎌倉武士が栄華を誇った故地から、「廃墟」の文化史について考えます。