藤沢市市民活動推進センター 藤沢市市民活動プラザむつあい

ハレの日 ケの日(なぜなにNPO vol.174)

本紙の今月号の特集は「ハレの日のユニバーサルレストラン」です。

「ハレ(晴れ)」に対する言葉として「ケ(褻)」があります。「ハレの日」は冠婚葬祭や年中行事などの特別な日をさし、「ケの日」はそれ以外の普通の日常的な生活をさしています。

「ハレの日」は特別な日なので、普段そんなに口にすることができない肉やお酒、豪華な料理がならび、着るものや化粧まで特別にするのが習わしでした。

これは、日本民俗学において発見され、日本の民俗研究、常民(市民)の生活様式分析の鍵になる独自の概念と言われています。

この、「ハレ」と「ケ」を日本人の民俗的世界の分析概念から拡張して、広く人間生活の中に遍在する日常と非日常の区切りとして考えることもできるとされています

日常の生活は、ともすればさまざまの生活行為の単調な繰り返しの時間の連なりでしかない中で、区切りあたる非日常な時間(儀礼などの宗教的営みなど)が存在し、区切りとなり、日常生活への励みになると思われていたのかもしれません。

いわゆるハレの日、ハレの場にあっては可能な限りでの最高の生活文化の表現として、普段の日常(ケの日)とははっきり異なる行動様式や意匠が選び取られることが多く、そこに人間の生きる喜びがあるという説もあります。

12月24日に横浜公園で、約200人にカレーライスを振る舞った「横濱炊き出しの会」の新聞記事が目に留まりました。

クリスマスイブも「ハレの日」です。また、誕生日のお祝いを諦めた親子へ、お誕生日にホールケーキを届ける活動を「NPO法人チャリティサンタ」が主催し、全国のNPOと洋菓子店が連携し、実行しています。

そして、本紙の特集で取り上げた「ハレの日のユニバーサルレストラン」も、2年をかけて計画した企画を実行し、まさに非日常の特別な日を創りあげた流れはとても自然に感じ、今後への期待が膨らみました。

誰にでもある「ハレの日」を自分らしく笑顔で過ごすことができる社会に一歩ずつ近づいているように思える年末を迎えることができました。(て)