ボランティアを募集するコツ(なぜなにNPO vol.183)

日本列島改造論が日本中を回り始めた1972年の2年後から、内閣府が調査している「社会貢献に関する世論調査」に、「日頃、社会の一員として、何か社会のために役立ちたいと思っているか」という設問があります。
当初の10年ほどは、「思っている」と「あまり考えていない」が拮抗していました。
中曽根総理大臣が「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」(略して民活法と言われていた)が動きだした1980年代中頃ころから「思っている」の割合が増えてきて、バブルの崩壊と言われる1990年には60%を超え、その後30年間60%前後を推移しています。
コロナ禍を超えた2023年11月の調査でも61.4%を維持しています。
では、社会貢献活動の身近な手法である、「ボランティア活動」の活動率はどうでしょうか。
同じく内閣府の「市民の社会貢献に関する実態調査」によれば、コロナ前の2015年1年間でボランティア活動経験有は、17.4%、コロナ禍後の2021年も17.4%と変化がありません。この間一時的に割合が沈んだものの、回復しています。
参加している人の理由は、「社会の役に立ちたいと思ったから」(59.1%)、「自己啓発や自らの成長につながると考えるため」(34.3%)、「自分や家族が関係している活動への支援」(25.4%)の順となっていて、納得できる結果です。
しかしながら、いかにも少ないという感覚は否めません。
本調査で大変興味深いのは、「ボランティア活動への参加の妨げとなる要因(複数回答)」を聞いていることです。
1.参加する時間がない(45.3%)
2.ボランティア活動に関する十分な情報がない(40.8%)
3.参加する際の経費(交通費等)の負担(23.1%)
4.参加するための休暇が取りにくい(22.1%)
5.参加するための手続きがわかりにくい(21.2%)
6.一緒に参加する人がいない(14.5%)
7.ボランティアを受け入れる団体等に不信感がある(9.7%)
8.参加しても実際に役に立っていると思えない(7.2%)
9.参加する際の保険が不十分(5.3%)
いかがでしょうか。受け入れる団体側で改善できることたくさんありそうです。
こまめに団体の活動情報を発信することや、ボランティアさんの受け入れ態勢を整えること、いつ・どこで・何をするのかなどのはっきりとした募集を行うこと、何よりボランティアさんが参加したいと思ったときの連絡先と担当者をはっきり明示することなど、全部一度にそろえることはできないと思いますが、一つずつ揃えていきませんか。
「推進センター」と「プラザむつあい」ではそのお手伝いをしています。お気軽にお声掛けください。(て)