須賀川市民交流センター【tette テッテ】(なぜなにNPO vol.185)

縁あって「須賀川市民交流センターtette」に行ってきた。
福島県須賀川市の人口は、約7万3千人、街並みはコンパクトに揃っていて、JR須賀川駅は学生であふれていた。
ウルトラマンの生みの親「円谷英二氏」の出身地のため、道路わきのウルトラマン達を横目に見ながら目指す「tette」まで車で5分程度。町の中心的な位置にあった。
外から見るとたいそう不思議な建物で、5階建ての建物と聞いていたが、どこまでが1階で、どこからが2階なのかよくわからない。中に入ると天井が彼方にあり、そこに階段や床がせり出している。
木曜日の午後に着いたのだが、学生を含む多くの市民が行きかっていた。2018年に竣工と書いてあったので、まだ新しさも相当残っていて、清潔感が溢れていた。
広いロビーというかエントランスに、透明な10㎡程度の広さのチャレンジ工房&ショップが3棟、距離をおいて設置されており、中でミニワークショップが開かれていた。
何よりも驚いたのは、1階の床が平らではないのだ。微妙に登ったり下ったりしている。中にいたスタッフに聞いたところ、土地の起伏をそのまま建物の床にしたとのこと。
当初は大変不評だったと言っていたが、3往復位したが、とても広い床面なので、なかなか味のある徒歩空間ではないかと個人的には気に入った。
ここは、図書館、生涯学習施設、市民活動施設、子育て支援施設、イベントホール、ウルトラマンミュージアムが同居している、いわゆる複合施設である。
最近の公共施設は、人口の減少や昭和の時代に建築した施設の老朽化にともなって、建て替えの際は機能を集約した複合施設にすることが多い。
藤沢市でも、第4次藤沢市公共再整備プラン(素案)のパブリックコメントが始まり、資料を確認すると、市民活動推進センターも含まれている市民会館周辺の「OUR Project(生活・文化拠点再整備)」のプランが入っている。
プランでは、市民会館・市民ギャラリー・アートスペース・南市民図書館・文書館・常設展示室・青少年会館・市民活動推進センターを集約し、市民のための新しい生活と文化の拠点となる予定だ。
解体工事は、2026年から始まり、今から7年後の2031年が供用開始なっている。長い道のりではあるが、市民の自由な発想によるまちづくりの拠点になると思うと、どのような施設になるのか大変楽しみだ。
他にも公民館、市民センター、保育園、小学校、中学校、市民の家、公園、墓苑、下水道施設など、16のプランが実施事業として掲載され、複合化を予定している施設も多々ある。おなじみの施設の再整備もあるかもしれません。
さて、須賀川市市民交流センターは、開館前に愛称を全国から募集し、「tette(テッテ)」と決まった。
「手を繋ぐ」を須賀川では「てってをつなぐ」というのだそう。
いうまでもなく須賀川市は東日本大震災の被災地だ。市民が手を繋いで創造的な復興を目指すシンボル的な存在に仕立ててあり、子どもから高齢者まで、市民がその空間を活用しているように見えていた。また訪れたい場所の一つとなった。(て)