藤沢市市民活動推進センター 藤沢市市民活動プラザむつあい

Vol.157 市民活動とSDGs

市民活動の原点は社会的な課題に目を向け、自治力を発揮することにある。その手法として、行政では踏み込めないと思われるような、画期的であり創造性を伴う多様な活動が展開されている。同じく、「社会的課題の一覧」と揶揄されている「SDGsの17のゴール」と親和性が高いことは、言うまでもない。
「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2030年までに持続可能でより良い世界を目指すために掲げられた国際目標で、貧困や飢餓の解決、地球環境の保護、差別の撤廃など17のゴールで構成されている。その前身と言われる「MDGs(ミレニアム開発目標)」は2000年9月に開催された国連ミレニアム・サミットにおいて、21世紀に向けた国際社会の目標として、安全で豊かな世界を作るための「国連ミレニアム宣言」が採択され、1990年代に採択された国際開発目標を統合して作られたのがMDGs。MDGsは、2015年までに貧困や飢餓、差別の撲滅など8つの目標と、より具体的に示した21のターゲット、そして進捗状況を測るための国際基準としての60の指標が定められ世界各国で取組がすすめられた。2010年頃から、国連持続可能な開発会議(リオ+20)や30か国によるオープンワーキンググループ(OWG)、持続可能な開発に必要な資金を議論するための政府間委員会(ICESDF)などが中心となり、2015年以降の取り組みについて議論が始まり、2015年9月、国連サミットにおいて、各国・地域の事情に配慮しながらも、「誰1人取り残さない、持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」のため、2030年を年限とする17の国際目標が全会一致で採択され「SDGs(持続可能な開発目標)」が誕生した。
国内では、その国際開発目標に積極的な姿勢を取り、企業やNPOなど既存の様々な主体が動き出していることは確認できている。特に市民活動組織にとっては、新しい動きを創り出すというよりは、実施している活動そのものが既にゴールを目指した活動となっていることから、認知度や関心が高いとは言えない。冒頭にも記載したが、市民活動とSDGsのゴールは親和性が高く、意識せずともゴールに向かっている。市民活動組織による自治力を見える化する方法の一つとして、市民向けの活動発表や報告などは、SDGsの17のゴールを意識すると、参加者や受益者の共感や理解が広がるのではないかと思う。