藤沢市市民活動推進センター 藤沢市市民活動プラザむつあい

vol.141 三方よし

 「キョウドウ」と聞いて、「共同」や「協同」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。政府がボランティア活動等市民の自主的な活動に大きな可能性を持つと考え始めた15年ほど前から、「協働事業」「協働ステーション」「協働マニュアル」「協働セミナー」「協働コーディネーター」など、『協働』を使った行政と市民の連携に関わる事業が増えています。藤沢市でも2006年から「藤沢市相互提案型協働モデル事業」が始まり、現在の「ミライカナエル活動サポート事業協働コース」の原点となっています。全国では行政の部署として「市民協働課(部)」は90以上存在しますので、市民と行政の協働施策はしばらく続きそうです。というよりも、お互いに力を合わせていく方向は止めることはできない状況なのかもしれません。

 昨年度の末から本年度にかけて、神奈川県内3か所の行政職員向け「協働研修」の講師依頼を受けました。その際「共創」という言葉も使ってほしいとの依頼を受けました。横浜市も「共創フロント」という場所を新庁舎内に作り、稼働し始めましたので、興味を持ち、少し調べました。「共創」は「協働」に続く協力関係や連携関係を表す言葉として、主に企業を中心に理念的に使われてきていたようです。「協働」が「ともに力を合わせて実施する」であれば「ともに力を合わせて創り出す」といえるでしょう。協働研修では「協働」もプロセスが重要で、その結果、力を合わせた事業が価値あるものになっていくと説明します。まずは「市民参加」から始まります。その後、「対話」を続け「信頼」「共感」を元に「協働」となります。そして、全てのプロセスを「共創」とまとめることができると考えました。

 協働であれ共創であれ、市民活動団体は公共サービスにとって大切なパートナーとなってきていることは間違いありません。しかしながら、行政との協働は、行政に流されがちになる傾向があります。自組織の理念をしっかり守りながら、上手にお付き合いできるように組織のありようを再度確認する必要が出てきました。藤沢市では、ミライカナエル活動サポート事業の募集が5月10日から始まります。説明会は4月20日、22日、24日の開催です。協働する相手の状況と自身の状況をしっかり見極め、受益者となる市民も含んだ「三方よし」となる協働事業を創りあげましょう。(て)